ご主人が生まれ育ったのは、昔ながらの日本家屋。杉板の外壁は少し色あせていたものの独特の風合いがあり、長い年月を経ても家を守る強さを持っていると感じていました。家づくりに自然素材をと考えたのは、古いけれど好きだった実家での暮らしがきっかけ。伝統の建て方や自然素材のメリットを自分なりに調べ、積極的に取り入れたそうです。

完成したのは、切妻屋根が印象的な平屋。土間玄関を上がり格子の引き戸を開けると、たっぷりの採光と木の風合いに包まれた居住空間が広がります。「無垢床は優しい色合いに惹かれてオークに。キッチンカウンターやワークスペースなど、突板を使ったものはすべてタモ材で造作してもらいました」と。木を用いたオリジナルの造作は、山倉建設が持つ得意技の一つです。無垢ならではの温もりを楽しむため、家族3人とも素足で過ごすことが多くなったとか。そんなリビングの窓辺には、深い軒が生み出す心地よい日陰ができていました。「軒下から見る庭は、きっと癒されるだろうなと思います」と、これから始まる庭づくりに期待を膨らませます。