施主ご夫婦が壺谷さんの感性に惚れ込み、風光明媚な讃岐富士の麓に建てたこちらの住まい。東西に長く、軒の出を深くした屋根瓦が美しい建物は、専属の庭師が手掛けた庭の景色や周りの長閑な景観とも調和して、住まう人の心を和ませます。玄関に施した透かし彫りは、ご主人の故郷の琴南の山間の風景をデザインしたもの。玄関窓から覗く坪庭風の景色とも相まって、訪れる人を和の心でおもてなしします。奥へと続く畳敷きの廊下には、柔らかで繊細な竹すだれに、面皮柱を用いて趣を演出。感性豊かに育んでくれる数奇屋の心に触れる暮らしは、壺谷建設が建てる住まいの真骨頂とも言えます。また、天井板などの建物の各所に配された杉材は、以前よりご主人が所有していたもので、木目の美しさを際立たせる浮造り仕上げや面取りなど伝統的な熟練の職人技が、年月を経て風合いを増した素地の良さを引き出します。