家を見る
『有限会社ホームズ四国』「憧れ」を形にするプロの感性歴史の息吹さえも感じるような家
堂々たる風情のソテツ、和と洋が絶妙に調和するエキゾチックな平屋建ては、一目で鮮やかなイメージを呼び起こす。なるほど、これはかの長崎・グラバー邸だ。といっても単純な模倣ではなく、あの美しいたたずまいをイメージの核とした、まったく新しい建物に仕上がっていることも明確に伝わってくる。 感性と職人技のハイブリッド。そんな言葉が浮かんでくるような工夫が、あちこちに凝らされていた。たとえば建具に小さくはまったステンドグラス、京都の職人が一つ一つ手で埋め込んだ石畳、建具屋に特別に作ってもらった優美なアール、天井に貼られた和紙の慎ましい風情。これ見よがしではないからこそ、かえって完成度の高さが際立つプロの仕事だ。「感性が同じだから、一緒に楽しめた」とお施主様は言う。ここは住まい手にとって日常を送る空間であると同時に、「心奪われる、憧れの場所」でもある。