開口部を控えた重厚感ある外観。そのクールな佇まいとは打って変わり、中に入ると大開口の吹き抜けとリビング階段、そして中庭を備えた気持ちのいい空間が広がります。L字になったLDKは、スペースを共有しながらも天井の段差で棲み分け。リビングは奥様が好きなモーイの照明で飾り、キッチンは木の質感を活かした天井デザインにするなどそれぞれに個性を感じます。スタイリッシュなデザインでありながらも優しい印象を受けるのは、直線的な設計の中にスケルトン階段の螺旋や丸型ダイニングテーブルの曲線、そして何より木の柔らかな色合いが調和しているから。フロアや壁をベージュトーンでまとめたのも、心地よさの秘密です。「家を建てたことで木の魅力に触れ、好きになりました」とご夫妻。モールテックスで造作したセパレートキッチンや一面に配した造作カップボードも、木と相性のよい優しい色合いに。キッチンのスリット窓から見る景色も好きなのだと教えてくれました。目の前にはため池、その向こうには緑豊かな山々も。ここで住まい続けるからこそ、地域の魅力をさりげなく取り入れた設計です。